おもにBLD

スピードキューブ、特に Blindfolded (BLD) の記事を書きます。

5BLDのXセンターでより良い分析優先順位を探索する試み

はじめに

こんにちは、酢酸ことSakakiです。

この記事はSpeedcubing Advent Calendar 2023の1日目の記事です。

昨日の記事 : 初日なので無し

明日の記事 : 『もちろんメガミンクス(ついでに僕の誕生日です)』 (佐村健人さん)

この記事では、5BLDのXセンターを分析する際に、どのような順番で辿るのがよいかについて説明します。

課題感、ゴール

多分割BLDのセンター分析は、エッジやコーナーよりも自由度が高いです。エッジやコーナーは1通りの道筋を進んでいき、ループが切れた時だけどこから再開するのかを自由に決めますが、多分割BLDの場合は、例えばバッファにF面のステッカーが入っていた場合、それをF面の空いているステッカー4つのどこに移してもよいです。

では、どのような分析をするとよいのでしょうか? これが本記事のテーマです。直観的には、6つの面全てで規則的に時計回りや反時計回りで統一すると、3-styleでのインターチェンジの関係のステッカーが分析に現れやすくなり、セットアップの手数が減るように思えます。これを検証していきましょう。

設定

4BLDにすると開始面を自由に選べてしまうという難しさがあるので、5BLDで考えます。

バッファはUblとし、3-style手順は私の手順*1で検証します。

違う手順だったらどうかや違うバッファだったらどうかなど、チューニングできるポイントは無数にあると思いますが、キリが無いので本記事ではバッファと手順は固定のものとして考えます。
検証に使ったコードは公開するので、興味がある人は自分のバッファや手順で動かしてください。

なお、分析はU面回避する戦略にしていないので1手順ぶん余分に計上されている可能性があります。
U面をどのように回避するかまではロジックとして組み込めなかったことと、そこまで考慮するとパターン数が膨大になるためです。

また、ループの開始面はR,F,L,B,D,Uの優先順位で固定し、6!=24通りの探索はしていません。

手数の数え方

  • 外層の回転についてはQuarter Turn Metric (QTM) を用います。つまり、90度回転で1手とします
    • FMC的な手数ではなく、実際に回す時の時間の長さを気にしています
  • スライスムーブについては、u, u'は1手、それ以外のスライスムーブは2手とします
  • 持ち替えは3手とします。ただし、 x y のように一連の持ち替えについてはまとめて3手とカウントします

分析優先順位のパターン

規則的な場合

1つの面について、

  • 開始ステッカーをどれにするか: 4通り (U面の場合はバッファを除いて3通り)
  • 時計回り/反時計回りのどちらで巡るか: 2通り

これが6面ぶんあるので、

(4 * 2) ^ 5 * (3 * 2) = 196,608通り

ランダムな場合

1つの面の中での優先順位が4!=24通り (U面は3!=6通り)

(4!)5 * 3! = 47,775,744通り

現実的な時間で扱えるように、ランダムにサンプリングします。

計測手法

スクランブルというものは、ステッカー24枚をシャッフルしたものとします。

まず、スクランブルを400個*2サンプリングして固定します。スクランブル1からスクランブル400まで番号を振っておきます。

次に、ランダムな分析優先順位について400個*3サンプリングして固定します。分析優先順位は「ランダム分析優先順位1」から「ランダム分析優先順位400」まで番号を振っておきます。

ランダムな優先順位400個 + 196,608通りの規則的な優先順位に対し、400個のスクランブルに対しての分析結果を見ます。

スクランブルごとに優先順位に従って分析し、それを3-style手順に置き換えて手数を算出します。

400個のスクランブルでの手数の平均、中央値、不偏標準偏差を計算します。

ランダムな分析優先順位については、「400個のスクランブルに対する平均手数」のマクロ平均を算出します。

結果と考察

分析優先順位 平均 中央値 不偏標準偏差
規則的 最悪 (No.42894) 179.2 178 19.90
ランダム平均 174.3 - -
規則的 時計 (No.21825) 171.8 172 17.72
規則的 最良 (No.78039)*4 169.9 172 18.07

規則的(最悪)

規則的(時計)

規則的(最良)

  • 規則的であっても、ランダムに劣る場合がある
  • 規則的(時計)はシンプルで覚えやすい上に、そんなに悪くない
  • 規則的(最良)は、L面・R面・B面は同じ順番なのでインターチェンジしやすい
  • 規則的(最良)のF面・D面は少しズレている。F面←→バッファ、D面←→バッファへのインターチェンジが重視されているかもしれない
  • とはいえ、規則的(時計回り)と規則的(最良)で2手しか違わないので、こだわるポイントではないかもしれない

違いが小さすぎる上に、どこがどう効いているのかを見極めるのが難しいので、うまく考察できていないです。
許容誤差5%としていますが、170手の5%は8.5手で大きすぎるので、本来は10000サンプルで計算すべきかもしれません。しかし、計算時間的に厳しいです。

今後の課題

これまでに説明していたが、今回の実験では多くの条件を制限しています。

  • スクランブル数は400、許容誤差は5%と大きい
  • バッファ
  • 手順
  • U面回避: しない
  • ループの開始面

計算時間をかけてこれらの条件を変えて探索すれば、さらに良い結果が得られる可能性があります。

また、今回の実験では、客観性を重視して手数を指標としましたが、もし3-styleを回すのにかかる秒数を客観的に導入できれば、タイムという実用的な指標での議論ができます。 1人(私)のタイムでは私の3-style手順の得意・不得意のバイアスが大きいですが、複数の競技者のタイムを得て平均することで偏りを減らせば、タイムを基準に議論することができる可能性があります。

+センターでも同様のシミュレートができます。原理的にはXセンターとほぼ変わらないので、単純な時計回りで充分という結果になりそうです。

本記事を書くために作成したスクリプトは以下のページで公開しています。

https://github.com/sakabar/speedcubing-advent-calendar-2023-script

*1:主には、Graham Siggins選手が2020年ごろに使っていた手順。現在も同じバッファや手順を使っているかは不明

*2:統計的に、許容誤差5%、信頼度95%と設定した場合、400サンプルあれば充分

*3:根拠はスクランブルのサンプル数と同じ

*4:ここでの最良とは、あくまで本実験のスクランブルに対して実験した中で一番良かったという意味

Japan MLC 2023 戦略

こんにちは。酢酸ことSakakiです。

Japan MLC 2023 の予選が終わりました。お疲れ様でした。そして、運営ありがとうございました。

私の成績はプレーオフ勝戦でkaoritchi選手に0-3で敗北して敗退となりました。残念です。
敗退はしたものの、決勝戦に至るまでのゲームメイキングは想定通りいったので、考えていた戦略を公開します。

【目的】

  • 負け犬の遠吠え
    • これで勝ち上がっていたら完璧な戦略だったと言えるのですが…
  • 単に種目の力を伸ばすだけではなく、戦略を練って戦うという方向性もあることを紹介すること

組み合わせ

大会1週間前に申し込み〆切、組み合わせ発表。 Japan MLC 2023 予選ラウンドについて | JMSC 日本メモリースポーツ協会

※ 最初はもう1名Cグループに参加者がいましたが、辞退があった旨が大会2日前に連絡されました。

グループ分けを見て思ったこと。

  • A組1位はSayaka選手で確定であろう
  • 自分の序列は2位だが、Yuzuki選手の方が強いのでは?
    • 午前に死力を尽くしてYuzuki選手に勝っても、午後が大して楽にはならないのでは?

以上より、 A組の戦いは場所の消費を抑えて負け抜け、午後のプレーオフで勝ち抜ける という戦略が頭に浮かびました。
A組3位で負け抜けた場合、当たるのはC組2位、B組1位。C組2位の選手はどちらだか分かないが順当にいけば勝てそう、その後、B組1位のkaoritchi選手に勝てればよい*1という考えです。

以下、A~C組のリーグ表と午後のトーナメント表を Japan MLC 2023 予選ラウンドについて | JMSC 日本メモリースポーツ協会 から引用します。

https://www.jmsc.info/site_wp/wp-content/uploads/2023/11/%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%83%E3%83%88-2023-11-16-22.22.16-1536x513.png

https://www.jmsc.info/site_wp/wp-content/uploads/2023/11/%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%83%E3%83%88-2023-11-16-22.22.23-1536x571.png

https://www.jmsc.info/site_wp/wp-content/uploads/2023/11/%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%83%E3%83%88-2023-11-21-9.54.59-1536x533.png

https://www.jmsc.info/site_wp/wp-content/uploads/2023/10/%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%83%E3%83%88-2023-11-16-22.05.36-1536x374.png

グループリーグ

vs # chooser 種目 プレイスの消費数 勝敗
Yuzuki 1 Sakaki Int Names 0 ×
Yuzuki 2 Yuzuki Numbers 3
Yuzuki 3 Yuzuki Words 2 ×
Yuzuki 4 Sakaki Images 2 ×
Sayaka 1 Sayaka Nat Names 0 ×
Sayaka 2 Sakaki Int Names 0 ×
Sayaka 3 Sakaki Images 2
Sayaka 4 Sayaka Words 2 ×

自選はInt Names, Imagesを選んで場所の消費は最小限に。
Int Namesで1点差だったので2-2で終えるのワンチャンあったのではとか、Sayaka選手になぜか1勝できたので対Yuzuki選手で2-2だったらA組2位抜けあったのではとか頭によぎりはしますが、たらればはNG.

プレーオフトーナメント

午後からは場所の消費を抑える必要ナシ。

vs ima.sarah選手

ima.sarah選手は2位通過、私は3位通過なので相手が先攻です。

# chooser 種目 勝敗
1 ima.sarah Images
2 Sakaki Cards
3 ima.sarah Int Names ×
4 Sakaki Numbers

1種目目Imagesは意外。最初に (Int/Nat) Namesで確実に勝ちを取ってくると思いました。
30点 (35.53秒) - 28点 (33.98秒) での勝利なので、非常に危なかったですね。
over 40秒で確実に成功させてくると予想してましたが、外れました。

あとは、勝ち・負けともに順当ですね。しっかりポイントを獲って勝利。

vs kaoritchi選手

Rating情報 (公開情報)

名前 Overall Cards Images Int Names Nat Names Numbers Words
Sakaki 6893 1265 1999 924 959 1439 1231
kaoritchi (大会前) 7145 1062 1642 1143 1613 1247 1581

Cards, Numbers, Imagesはレーティングで勝っている。 Imagesは、kaoritchi選手のtop 5 recentにパーフェクト 20秒未満は2試技しかなく、パフェ取れれば勝てそう。

勝ち筋としては以下。実現はせず…

# chooser event win/lose
1 kaoritchi (Int/Nat) Names ×
2 Sakaki Numbers
3 kaoritchi Words ×
4 Sakaki Cards
5 kaoritchi Images?

自選のNumbers, Cardsでしっかり勝ってタイの状態で5試合目に臨む想定。(レーティング的にはNumbers, Cardsは自分の方が上)
その時点でkaoritchi選手の手札はImages, Numbers, Cardsだが、後ろ2つは負けている状態なのでImagesとなるのではないか。
※ ただ、最後Imagesが怖いという考えもあります。もしNumbersやCardsになってくれたら、自分としては嬉しい展開ですね。

…というところまで考えていましたが、2試合目のNumbersで
72点 (57.51秒) - 72点 (40.75秒)
だったのでプラン崩れ。0-2の形になったら勝てない…
自選のNumbersで負けているようじゃダメですね。

仮に勝っていたとして、Cardsはkaoritchi選手は午前に50点取っていたし、果たして勝てたかどうか。
そして、Imagesはパフェ取れれば勝ち目があると思っていましたが、フタを開けてみたらkaoritchi選手は午前に16.74秒・17.71秒で連続パフェ。 道のりは険しいですね。

名前 Overall Cards Images Int Names Nat Names Numbers Words
Sakaki 6893 1265 1999 924 959 1439 1231
kaoritchi (大会前) 7145 1062 1642 1143 1613 1247 1581
kaoritchi(大会後) 7618 1073 1993 1143 1680 1281 1591

ちなみに、A組2位のYuzuki選手はC組1位のRizu選手に負けて敗退してました。
仮に私がA組2位で抜けていたとしても、やはり倒せなかった可能性が高いですね。
道のりは険しいですね…

おわりに

  • 戦略的には満足
  • 実力的には不充分
    • 万が一負けるとしても、最終5戦目までつないでからにしたかったという思いがある

ところで、12月30日には東京SCCが開かれますね。今日で燃え尽きたりせず、練習を続けていきましょう。

東京SCC 2023 開催のお知らせと登録について | JMSC 日本メモリースポーツ協会

*1:勝てるとは言っていない

多分割BLDのセンター分析で正しく埋まっているステッカーぶん序盤の場所をスキップするようにした

9月5日ごろから、意識的にXセンター、+センターでの分析での検算の方法を変えてみました。

単発を狙う上では検算は時間のロスとなる可能性がありますが、5BLDは試技の機会が貴重なのでこの位のロスなら受け入れて、DNFの可能性を減らしたほうがいいと思います。

究極的には、わざわざ最初に教えたりしなくても分析途中に何個飛ばしているかをなんとなく数えて感覚で分かるのかもしれませんが、私はその領域には至れていません。

前提

私は MBLDを毎日やるためのゴースト対策 - おもにBLD で説明しているような、場所の「テーマ」ごとにパート分けしています。

  • テーマ1の場所で+センター
  • テーマ2の場所でXセンター
  • テーマ3の場所でWエッジ
  • テーマ4の場所でMエッジ

(Cは音記憶)

もしもパートごとに場所の領域を分けていない人にとっては、この手法は使えなさそうです。

分析方法

Before

  1. 普通に分析 (バッファから辿り始め、指で押さえながら辿り、全部の指がそれぞれの面の最後のステッカーに触れていたら停止)
  2. 場所のどこまで置いて記憶したかを基に、分析した文字数を算出
    • 奇数文字の時はパリティ処理のぶん1文字足して偶数文字として扱う
  3. 正しく埋まっているステッカー数を数える
  4. 分析した文字列と正しく埋まっているステッカー数を足して、24になるかどうか確認

After

  1. 最初に、6面を見て埋まっているステッカーの数を数える
  2. 順番は自由だが、私はUBLFRD
  3. 埋まっているステッカーのぶんだけ、序盤の場所をスキップする (使わないことにする)
  4. 分析 (バッファから辿り始め、指で押さえながら辿り、最後のプレイスまで辿り着いたら停止)

効果

  • 分析の終了地点が固定化されるので、終了タイミングが分かりやすくなりました
  • 以前は作業の中に計算が入っていましたが、それが無くなったので楽になりました
  • 以前は後半のイメージが思い浮かばない時に、思い出せていないのか、それとももう終わっていてそこにはイメージを置いていなかったのかが分からなかったですが、それがなくなりました
    • 今回の手法では、序盤のスキップを意識的にしているので、序盤のイメージを忘却してしまったのかスキップしてしまったのかで迷うことはありませんでした
      • もし不安なら、スキップを表す何らかのイメージを場所に置いてもいいと思います。通行止めとか、ワープ床とか

関係あるかもしれないこと

  • 埋まっているステッカーを後で数えるBefore手法の場合は、数えている間にも記憶が飛んでいくかもしれません
  • 埋まっているステッカーを先に数えた方が、どのような難易度かの心積りができます

場所の飛ばし方

私は1つのプレイスに2イメージ置いています。

埋まっているステッカーをsとすると、 (s / 2)を切り上げたぶんの個数のイメージを飛ばします。

埋まっているステッカー数 分析文字列 最後の1文字はパリティ処理になる? スキップする場所 備考
0 24 Yes ループが切れても文字数が変わらない。パリティは無くなる
1 22 1プレイス目の1イメージ目
2 22 Yes 同上 ループが切れても文字数が変わらない。パリティは無くなる
3 20 1プレイス目 丸ごと
4 20 Yes 同上 ループが切れても文字数が変わらない。パリティは無くなる
5 18 1プレイス目 丸ごと + 2プレイス目の1イメージ目
6 18 Yes 同上 ループが切れても文字数が変わらない。パリティは無くなる
... ... ... ...

おわりに

以上、多分割BLDの分析Tipsでした。成功率を高めてHave a happy Big BLD life!

毎日5BLD生活:38日経過

5BLDの試技に注力することにします (世界大会2023の反省) - おもにBLD で書いた通り、5BLDの試技に注力することにしてから30日以上が経過しました。世界大会の最終日である8/15からやっているので、昨日で38日ですね。

毎日最低1試技やるのは、すっかり習慣化できたと思います。飲み会があって酔っている時やトランプ記憶の大会で場所をたくさん使った日にも継続できたので、途切れそうな要因はもうありません。

実感していること

  • 5BLDをやることの心理的ハードルが下がったこと
  • タイムが早くなってきていること

できていないこと

  • 成功率を高めること
  • タイムが速くなった期があった後、それを定着させること
  • mo3, ao12

負荷について

ところで、9月上旬ごろ、睡眠不足を感じつつも夜になるとダラダラしてしまって眠る気が起きないという現象が起こっていましたが、5MBLDして思いっきり頭を使ったらすんなり眠れました。

負荷をかけることを意識すると、同じ時間の練習でも効果が高くなりますし、上記の通り睡眠時間が増える方向に向かいますし、良いことが多いですね。毎日1試技する負荷は下がってきているので、そろそろ2試技に引き上げようかと考えています。

5BLDの試技に注力することにします (世界大会2023の反省)

こんばんは 酢酸ことSakakiです。

先週、韓国で世界大会2023がありました。私はBLD系種目全ての4種目に出場したのですが、何の成果も得られませんでした。
その反省を踏まえて、今後の練習内容について考えていきます。

ここで、前提として、私は社会人であり、学生に比べて使える時間が少ないです。
もちろん、キューブ以外のことに関する取捨選択やタイムマネジメントによって時間を捻出することはできなくはないですが、それはこの記事の主題ではありません。
キューブに対する時間を用意した後で、それをどのように活用するのか? それがこの記事の主題です。

試技の結果

まずは世界大会の試技の結果から。

  • 1日目 朝 MBLD : 受付にかかる時間を甘く見て、MBLDのキューブ提出〆切に5分遅刻、失格*1
  • 1日目 夕方 4BLD : 成功よりはスピード重視で試技。3試技やって3バツ。タイムは4分台後半のものもあったので、成功していればPR
  • 2日目 朝 5BLD : 累積制限時間30分だったので3試技できず。
    • 1試技目 : 自信はあったがXセンターで実行を場所1か所ぶん抜かしてしまったらしくDNF。タイムは14分台
    • 2試技目 : 分析がどうもうまくいかず時間がかかった。実行フェーズに入る前に肩を叩かれた
  • 3日目 朝 MBLD : 温情でEx試技をもらえた。5P=9/13でPR更新ならず
  • 3日目 昼 3BLD : 1試技目は簡単めだったが、記憶が飛んでミス。2試技目DNF、3試技目は成功重視で1:12.67

7月中旬までは大田BLD夏2023もあったので4BLDと5BLD中心、7月下旬からMBLDを中心に練習していました。

結果としては、悪いことが玉突きに起こったように思います。

  • 直前にメインでやっていたMBLD : 失格で精神的にガックリ
  • その日の4BLD : 必ず成功させようとは思っていなかったので失敗
  • 5BLD : 成功重視だったが失敗
  • MBLD : チャンスをもらえたものの失敗
    • 直前メインで練習してたのに…
  • 3BLD : 3BLD用の練習をしていないので順当に失敗

直前でメインでやっていたMBLDで成果を出せず、その他の種目は直近の練習が少なく成果が出せず… これはひどい

やってみること1 : 種目を絞る

以前は3BLDだけ捨てて4BLD, 5BLD, MBLDは長距離走的競技として両立できると考えていましたが、今の私にはそれはどうやら難しいようです*2
4, 5BLD vs MBLDの2択ですが、MBLDはミスに対するペナルティが大きすぎて大会でしっかり成果を出すのが難しい種目なので、4/5BLDを選択しました。

やってみること2 : 手順練の時間を減らして、通しの試技中心にする

4/5BLDの練習について、これまではまず下地としてじっくり3-styleの練習をやって、残った時間で試技をするという考えでした。
また、ソルブ回数を自然と増やせるように、練習でのラッキースクランブルに対する考え方などを変えた で書いた通りパート練を取り入れて、部分ごとに苦手かどうかを判断すると共に細切れの時間を使いやすくしていました。

しかし、結果的には、パート練だけやって練習した気になって、5BLD全体で統合した練習が少なくなっていました。 手順については、回せるつもりの手順は増えていたのですが、実際の試技でミスが起こってしまい、まだ完成度が低い状態だと思いました。ならば、間違えてしまうオプティマル手順は回避し、すぐ思い出せてかつ間違えにくい手順だけを使い、安全を重視したほうがよいのではと考えました。

  • 5BLDのアップは5BLDでやる
  • まず5BLD全体の試技練習があり、その結果浮かび上がった苦手なポイントをパート練する。
    • 決して、まず先にパート練で下地を作っておくわけではない
    • また、手順についても、先に広範囲をカバーするように練習するのではなく、試技中に思い出せなかった手順や間違えた手順に絞って練習する

具体的な進め方

世界大会前に毎日5BLDのスクランブルを貼って練習していた鉄Cuberさんの手法そのままです。あとは、試技以外の練習で練習した気にならないようにすればOK.

  1. 3試技ぶんのスクランブルを生成します
  2. X (旧Twitter) に貼ります
    • フォロワーの中で同じスクランブルでチャレンジしてくれる人もいるので、元気が出ます
  3. 1日の中でできれば3回、最低でも1回は試技します
  4. 以上。

物足りないと思ったら5BLDの試技の回数を増やしましょう。大会では3試技チャンスがあるので、1日の練習で3試技以上するのが当たり前になりたいですね。
今のところはスクランブルや振り返りなどの時間を含めて、3試技に90分〜120分かかります。練習を積んで60分くらいに収まるようになれば、平日でも3試技練習することができそうです。

また、私は場所が豊富に用意してあるので、試技を増やして場所をたくさん使ったほうが、他の人よりもアドバンテージを活かせるはずだと思いました。

直近の目標

安定重視で5BLD ao12の記録を残しに行きます。
※ 日またぎOK

ゆっくりやって成功しないなら、速くやっても成功しないのです。

解き方メモ

この頃はこんな風にやっていたのだ、と後日見返すためのメモ。大会でDNFばっかりだったので、かなり安定重視に倒しています。

  • 解く順はTXWMC CTXWM
  • +センターの分析は12時の位置から時計回り
  • センター分析の時には指を押さえる
  • U面回避は積極的にはしない
  • パートごとに正しく埋まっているステッカーの数を数えて抜け漏れを防止する
  • パートごとに復習する
  • ミドルエッジとコーナーはねじれ合わせ分析を行い、EO・COの見逃しを防止
  • ウィングエッジパリティは、最後にUBr (UFrバッファならBUr) の1文字が残るようにし、1文字レターペアを用意しなくていいようにする
    • weak-swapはやらないことの方が多い
  • コーナーパリティは、記憶と実行の両方の安定を取るためにUBRの1文字だけが残るようにする

*1:良い子はサブ会場の場所を下見をしたり、受付より前にまずキューブ提出をしたり、工夫しましょう

*2:あくまで私の場合は、です。日本大会2018のように、1つの大会で4BLD, 5BLD, MBLDの全て優勝した選手もいます。

BLDのコーナーねじれ合わせ分析

はじめに

こんにちは、酢酸ことSakakiです。

この記事はSpeedcubing Advent Calendar 2022の1日目の記事です。

昨日の記事 : 初日なので無し

明日の記事 : お知らせ&最近作ったもの、近況報告 (ろーだいさん)

この記事ではBLDの分析のやり方である、ねじれ合わせ分析のコーナーパート編について説明します。

エッジパート編については過去に記事を書いているのでそちらをご覧ください。エッジパートのほうが手軽で効果が大きいため、修得のコスパが良いです。 DBのEOに気付くためのねじれ合わせ分析 - おもにBLD

なお、前提として、バッファのステッカーはU面であるとします。

コーナーのねじれ合わせ分析とは

コーナーのねじれ合わせ分析とは、分析でループが終了して次のループを始める時にルールに沿ってステッカーを選ぶことで、バッファのパーツ*1のねじれが解消した状態を維持して分析する方法です。

ねじれ合わせ分析を行うことによるメリットは以下の2点です。

  1. バッファ絡みのCOの存在に気付くことができる
  2. コーナーパリティがある場合に、そのパーツの位置だけ覚えればよくなる

メリット (1)バッファ絡みのCOの存在に気付くことができる

ねじれ合わせ分析を行うことで、バッファの絡むCOが残らない場合は分析がU, D面のステッカーで終わります。

逆に言うと、分析が終わった時にL, R, F, B面のステッカーの文字で終わった時にはバッファ絡みのCOが残るため、COの存在に気付くことができます。

メリット (2)コーナーパリティがある場合に、そのパーツの位置だけ覚えればよくなる

分析をした時に最後の1文字が必ずU, D面で終わるため、パーツの位置だけ覚えればよくなります。

Speedcubing Advent Calendar 2021のけいてぃさんの記事である3BLDを10秒で記憶したい! - BLDerになりたいで説明されているCOの足記憶のやり方を使えば、覚える文字数を1文字だけ減らすことができます。

ねじれ合わせ分析のやり方

至ってシンプルです。

  • 【バッファに当たってループが終わる時】
    • そのステッカーと「COが揃った関係」のステッカーを選択してループを始める。
  • 【ループを始めたパーツに当たってループが終わる時】
    • そのステッカーと「COが揃った関係」のステッカーを選択してループを始める。

「COが揃った関係」については Speedcubing Advent Calendar 2019の煎茶さんの記事の一部であるセットアップへの理解: COが揃った関係とはで図解されています。非常に説明が丁寧ですので、説明はそちらに譲ります。

CO-0についてはU面とD面そのままなのでよいとして、CO-1, CO-2についてCOが揃った関係のグルーピングを覚える時のコツとしては、U面同士、D面同士をグルーピングしつつ、U層からD層にまたぐ時には同じ面の真下に行くのではなくクロスするのを意識するとよいと思います。

例えば、 RFU と同じグループなのは RDF ではなく FDR です。

私自身は、COが揃った関係のグルーピングは4BLD以上で出てくるXセンターの3-styleを練習するうちに身につきました。COが揃った関係はインターチェンジ可能な関係なので、Xセンターのナンバリングをコーナー準拠にした上で3-styleを覚えると、Xセンターの3-styleでセットアップ不要な手順に出てくるナンバリングはCOが揃った関係のナンバリングと同じです。

スクランブル (基準面で)

y L' U2 L U L' U L R U2 R' U' R U' R' y' // CO UFL
R U R' D R U' R' D' // = [R U R', D], UFR-RDF-FDL
U R' D' R U' R' D R // = [U, R' D' R], UFR-RDF-UBR

ALG.CUBING.NETでのURL

以下、ステッカーのことを思い浮かべる時には実際にはナンバリングの文字が頭に浮かんでいますが、それだと他人には伝わらないので便宜的に「ステッカーはUBRだ」というような表記をしています。

  • バッファ(UFR)の文字はUBRだ
  • UBRにあるステッカーはFURだ、これはバッファのパーツだ
    • CO-2のステッカーでループが終わったぞ
  • ループを作ろう。CO-2のステッカーで正しく埋まってないのは LFU, RDF, FDLの3つだ。ここではひとまずRDFを選ぼう (☆)
  • RDFにあるステッカーはFDLだ
  • FDLにあるステッカーはRDFだ。CO-2でループが切れた
  • CO-0で終わってないから何か残っているな → COがあるぞ

以上です。最初は慣れないかもしれませんが、繰り返すうちにCO-1, 2のグルーピングがすぐに思い浮かぶようになります。

ちなみに、実行中のキューブの状態は全く意識する必要が無いものの、上記の(☆)までの実行が終わった時点でのキューブの状態は下から見ると次のようになっています。バッファ (白緑赤) のパーツが、白面が黄面に来る形でCOが正しく埋まっていますね。

あとがき

テクニックを誰でもアクセスできる状態で公開するという観点ではこのブログでの公開に意味があるのですが、ねじれ合わせ分析について分かりやすく説明するという観点だと 3x3x3目隠し M2/OP法 甘やかし編 概論 - おもにBLD から先のリンクのように、拙作のツールhinemos内で各人のナンバリングに合わせて説明した方が分かりやすいと思っています。

もしかしたら後日それ用のページを作るかもしれません。

*1:例えば基準面が白上・緑前でUFRバッファなら、緑白赤のパーツ。バッファの位置にあるパーツではありません。