こんにちは、酢酸です。4BLDでDFrバッファからFUrバッファへの移行がローコストでうまくいったので、そのやり方を書いておきます。
ここでの「移行」とは、「新しいバッファで、どのようなスクランブルでも成功できる状態になった」ということを指します。タイムは問いません。
20201026追記: 記事の途中にも追記しましたが、3BLDのDFバッファの3-styleを使える人が追加で覚える手順を最小限にする、という目的ならDFrヘルパーでいいのですが、高々23手順ですし、素直にUBrヘルパーにしておいたほうがいい気もしてきました。
TL; DR
- これまでの分析フェーズの経験値を活かすため、UFrではなくFUrをバッファとする
- OrozcoメソッドのヘルパーはDFrにして、DFバッファの手順を最大限利用する
- 馴染むまでは目を開けたまま繰り返すのが重要
バッファ移行のモチベーション
日本のBLDerが3BLDにてUF/UFRバッファへの移行を進める中で、私は未だにDF/UBLバッファで解いていますし、これを変えるつもりは今のところありません。これは、以下の理由からです。
- UF/UFRにしてもDF/DFRに比べて短縮できるのは数秒
- まだ自分はその数秒が大事になるほど短いタイムが出せていない
- ようやくDF/UBLの手順が馴染んできたところなので、ここで手順を別物にするのはもったいない
3BLDの場合、DF/UBLでSub20のタイムが出せることは2018年ごろまでのWRが証明していますし、過去のWRを出すのは厳しいとしても2018年のWR100である29.96くらいまでは練習次第で出せそうなので、このままいきます。
一方で、4BLD/5BLDについては、DFr以外のバッファで3-styleを修得する価値があると考えています。
私は今のところ、DFrバッファの3-style手順があまり使えません。3BLDのDFバッファ 3-style440手順のうち、私が使っている手順でS列/E列を含む手順は約300手順で、DFrバッファで使える手順は差し引きで約140手順しかありませんでした。ウィングエッジ3-style全506手順のうち、約360手順は新しく覚える必要があるわけです。
DFrバッファのままで360手順を覚えることとFUrバッファに変えて506手順覚えることを比較すると、コストは少し増えるものの、手順のアップデートが現在行われているバッファであるFUrの手順を覚えたほうが良いと判断しました。
多分割BLDでバッファ移行を避けていた理由として、2点交換の解法が無いバッファだと3-styleをど忘れした時にDNFが確定してしまうという懸念がありましたが、Orozcoメソッドの考え方を使えば何かの手順をど忘れした時に回避ができるため、その懸念は解消しました。
UFrではなくFUrバッファ
バッファはこれまでの多分割BLDの分析フェーズの経験値を活かすために、UFrではなくFUrバッファとしました。UFrの手順とFUrの手順は全く同じものを使えるので、ソルブにおいてデメリットはありません。デメリットは、強いて言うならばUFrバッファの人と話をする時に読み替えでちょっと困るという程度です。
導入方法
1. Orozco methodの概要を把握
3BLDですが、まっさんの記事が分かりやすいです。
2. ヘルパーをDFrに決めて、使う手順選定
UFr Orozcoメソッド手順表ではBUr (FUrバッファならUBr) がヘルパーとなっていますが、私はDFrをヘルパーとしました。これは、ヘルパーをDFrとすることで、自分の知っているDFバッファの手順(参考サイトは後述)が適用できて学習コストが下がるからです。
2020/10/26追記: DFrヘルパーのデメリットは以下の通りです。高々23手順ですし、横着せずにUBrヘルパーにするほうがいい気がしてきました。
- UBrヘルパーに比べてセットアップが必要な手順が多い
- Orozcoで解くときにはヘルパーの文字も想起するが、DFrステッカーの文字はFUrバッファに移行して初めて出現するので慣れていない
- これは逆に、そのナンバリングに慣れるメリットがあるかも?
追記ここまで
DFrヘルパーの手順、および今後の3-styleの学習には基本的にはGrahamの手順を採用します。Grahamは2020年現在4BLD, 5BLDで世界4位, 3位なので、この手順は信頼できます。
DFrヘルパーの手順はGrahamの手順表のUFr-FDr-XYzとUFr-XYz-FDrの手順を読み替えて使いましょう。UFr-FDr-XYzはFUr-DFr-YXzと等価であり、同じパーツのもう一つのステッカーで読み替えることができます。
Graham's Full 3Style Comm Series + more - Google スプレッドシート
このGrahamのFUr-DFr-XYz手順を学ぶ前に、3BLDでFU絡みの簡易3-styleを学んでおくとスムーズです。
3. 目を開けたまま練習
目を開けたまま、2文字分析→実行を繰り返します。
余談ですが、この目を開けたまま練習するというやり方は3-styleの修得だけでなく4BLD, 5BLDを初めてやる人にとっても非常に大切だと考えています(この記事を読んでいる人のほとんどは既に成功していると思いますが…)。
4. 実際にソルブ
目を開けたままの練習を充分行って、イケる感覚があったら実際にソルブしましょう。
私は目を開けたままの練習をじっくり行ったので、FUrバッファの初ソルブでしっかり成功させることができました。
4BLD 9:16.96=[4:13]+5:03
— Sakaki (@sak_3x3x3) 2020年5月17日
ウィングエッジFUrバッファ
(Orozco method, ヘルパーDFr)
分析は違和感なかった。
これからの課題は今まであまり出てこなかったレターペアに慣れることと、Orozcoの手順を思い出すのを速くすることと、手順を増やすことか。
これより遅くなることは無いので気が楽。 pic.twitter.com/fa28Ont2fz
今後の課題
上述のツイートにも書きましたが、以下の3点が課題です。
- バッファを変えたことによって新しく登場するレターペアに慣れること
- Orozco手順を想起するのを速くすること
- 3-style手順を増やすこと
3-style手順を増やすことについては、hinemosで多分割BLDの3-styleを練習できる仕組みを実装して、それを利用する予定です。ただ、結構実装が大変で、実装完了するまで最大で半年程度かかりそうです。もし待っている人がいたら気長にお待ちください…