おもにBLD

スピードキューブ、特に Blindfolded (BLD) の記事を書きます。

ソルブ回数を自然と増やせるように、練習でのラッキースクランブルに対する考え方などを変えた

こんにちは、酢酸ことSakakiです。

1月の下旬から、練習でのPB (Personal Best) とソルブに関する考え方を見直していました。 1ヶ月半続けてきて成果が出てきているので、いったん取り組み方をブログにまとめ、参照可能な状態にしようと思います。

前提として、私は今4BLDと5BLDを練習しています。この記事の中で説明しているやり方は、もしかすると別の競技をする際にはアレンジが必要な可能性があるのでご了承ください。

また、このやり方は、私にとってはうまくいっているやり方というだけで、これが唯一無二の正解と主張したいわけではありません。

4BLDと5BLDを練習するモチベーション

私はBLDの種目はどれも速くなりたいのですが、その中でも特に今4BLDと5BLDに注力したいのは、まだ使えない3-style手順がたくさんあり、練習すればするほどタイムが短縮できることが明確だからです。

そして、自分が認識している伸び代を使い切ってから、ゆくゆくは速い人とハイレベルな高度な話(というか相談?)をしたいという願望があります。

課題感

BLDの分析・記憶・実行のうち、記憶についてはメモリースポーツである程度伸ばしているので、分析と実行に焦点を当てて伸ばしたいと考えています。

実行についてはhinemosの3-styleクイズをやり続ければ伸ばしていけるし、長時間hinemosで練習するのは苦にならないので時間が解決してくれる部分だと感じています。

一方、分析は実際にソルブをして練習するつもりですが、以前の自分は少しソルブをしたら満足してしまい、あまり練習回数を積み上げることができていませんでした。

つまり、ソルブの回数を増やすことが目下の課題であり、そのためには考え方を変える必要があると感じました。

考え方を変えたこと

意識的に考え方を変えたことを項目ごとに書いていきます。

パート練

【Before】

  • パート練は単なるウォーミングアップ

【After】

  • パート練のタイムは自分の得意・不得意を知るための重要な指標である
  • パートを絞って練習することで、伸ばしたい要素を集中的に練習することができる

パート練は全体練に比べて必要な時間が短いので、気軽にやりやすく、ソルブ数(分析数)を増やすことに繋がると考えています。

ラッキースクランブル

【Before】

  • 練習のラッキーケースでPB更新したとしても大会でラッキーケースを引けることはそうそう無いので、練習でのラッキーケースでのPB更新を求めていなかった

【After】

  • ラッキースクランブルでも、更新は更新
  • ラッキースクランブルの時に○○秒出せなければ、大会で○○秒出せるわけがない

ラッキースクランブルでのPB更新を重んじることで、ラッキーを引くために自然とソルブ量が増えると考えています。そして、捨てソルブをしない限り、その増えたソルブ量はタイムの底上げに繋がり、大会でのタイムを良くすることにも繋がると思います。

PBを更新するということ

【Before】

  • PBというものは練習を続けていればいずれは勝手に出るものだ

【After】

  • PBは意識的に更新を狙うものだ。毎回のソルブで積極的に更新を狙う

以前は、PBというものは練習を続けていればいずれは勝手に出るものだと思っていました。 逆に言うと、毎回のソルブでPBを更新しようという気概が無かったので、ソルブの練習効率はあまり高くなかったと思います。

PBを毎回更新しようとすることで、限界的練習*1を行うことができます。

PB管理

【Before】

  • 3BLD, 4BLD, 5BLDのような全体でのPBはツイートしていたが、一元管理しておらず、PBを正確に自覚していない状態だった
  • パート練のタイムは管理してなかった

【After】

  • 普通の種目だけでなくパート練のタイムのPBも管理し、表にまとめる

PBを表をまとめて毎日見ることで、毎回のソルブでそれを更新しようという気持ちが強まります。

PBはgitで管理しています。月イチでの表の更新ではなく、何か更新があった時にgitに更新を保存することで、任意の時点でのPB表を確認することができます。

PB_history/results at main · sakabar/PB_history · GitHub

2021/02 by sakabar · Pull Request #2 · sakabar/PB_history · GitHub

2021/03 by sakabar · Pull Request #3 · sakabar/PB_history · GitHub

更新幅

【Before】

  • 数秒だけ更新してもあまり嬉しくない

【After】

  • コンマ数秒の更新でも、更新は更新。大げさなくらい喜ぶ

4BLD, 5BLDは時間がかかる種目なので、初めのうちがはPBの更新幅が数十秒、数分など大きくなりがちです。

ですが、上達していった先には、数十秒の更新が困難になるのは目に見えています。なので、小さな更新をを大切にしていくことが重要だと思いました。これまでPBは秒単位でしか管理していませんでしたが、小数点以下も記入するようにして、小さな更新も大事にします。

コンマ数秒〜PBの1%くらいの更新幅なら現在のスキルセットでもできそうに思えることが多いので、自然と試行回数=ソルブ回数を増やすことに繋がります。

去年 Road to MBLD 20P はじめに - おもにBLD でMBLDをやっていた時は、主にキューブの成功数だけに注目していたので、挑戦個数10〜20個に応じて更新幅は5%〜10%の間。これは幅が大きすぎるし、しかも離散的なのが問題です。 こうして考えると、5,9,13,17...個のように個数を固定した時の、タイムに対する1%更新を重んじていればモチベーションを維持しやすかったのではないかと考えています。

おわりに

このやり方で以前よりPB更新の頻度が増えたことを実感しているので、このまま継続していきます。今後どこかで全くPBが更新できない月が出てくると思いますが、その時は新たな課題が発生していると思うのでその時に考えることにします。

ちなみに、2月末の時点でこのような記事を書こうとは思っていましたが、実際に書いて公開することを決定づけたのは以下のPBが出たためです。今回は練習法の話だけで4BLDのソルブの中身については触れませんでしたが、それについては別の記事にする予定です。

と思ったら、翌日に5BLDの成果も出ました。

*1:具体的な目標を達成するために行う、負荷のかかった練習。『超一流になるのは才能か努力か? 』アンダース・エリクソン、ロバート・プール、土方奈美(訳)に詳しい。