コーナーセットアップ手順は複数存在する場合があるので注意
TL; DR
課題
コーナーをOld Pochmann法で解く際に、セットアップする手順が複数存在するステッカーがある。もしセットアップ手順と対応していない逆セットアップ手順を実行してしまうと元の状態に戻らないため、実行ミスとなる。
BLDの解説をしているサイトはいくつか存在するが、「セットアップ手順が複数存在するステッカーがある」ということが強調されていない。そのため、BLD初心者がセットアップの手順が複数あることに気付かず、「逆セットアップをしたつもりなのに何故か間違えてしまう」という現象が発生する可能性がある。
解決方法
本記事では、セットアップ手順が複数存在するのはどのステッカーなのかを提示することで、どのステッカーのセットアップ時に注意すれば良いかを示す。また、複数の手順のうちどの手順を使うと良いかを提案する。
絞り込んだ結果の手順
- 3通りあったグループ
- FDR : D R
- DFR : F' R'
- 2通りあったグループ
- DBR : R2 F,
- FRU : R2 D',
- LDF : D2 R, F2 R' → お好み
本文
BLDを解くために、エッジはM2法、コーナーはOld Pochmann法で解く人が多いと思います。
Old Pochmann法については各種ブログ等で紹介されています。しかし、セットアップに関しては「必ず2手以内でセットアップできる」ということばかりが強調され、「セットアップ手順が何通りあるか」ということがフォーカスされていません。
私はこのことを問題だと考えます。セットアップは必ず2手以内でできるためその場で考えてみれば良いのは確かなのですが、BLD初心者は分析結果を覚えておくのに精一杯で、どの手順でセットアップしたのかを覚えておくことが難しい可能性があります。そして、もし「セットアップ手順が複数ある」ということを認識していないと、「逆セットアップの手順を何かしら思い付けば良い」と考え、セットアップした手順と対応しない逆セットアップを実行してしまい、実行ミスとなってしまう危険性があります。
そこで、本記事ではセットアップの方法がいくつ存在するか提示します。数え上げた結果、以下のようになりました。
- 3通りあるもの
- FDR : D R, R F, F D
- DFR : F' R', R' D', D' F'
- 2通りあるもの
- DBR : R2 F, D2 F'
- FRU : R2 D', F2 D
- LDF : D2 R, F2 R'
- 1通りしかないもの
- その他
大ざっぱに言うと、「バッファの周りは自由度が高い」ということです。
さて、では複数手順が存在するものは、どの手順を使えばよいのでしょうか。それを決めるためには、コーナーOld Pochmann法の拡張についてという記事が手がかりになります。
上記の記事では、Old Pochmann法の変形Y-PermがRから始まるため、「RDFにセットアップするのではなくR面にセットアップすれば十分」であることに着目し、Rをキャンセルした方法を紹介しています(本記事では、この方法を「拡張Y-Perm」と呼ぶことにします)。 そこで、複数手順が存在するものに関して、2手目がR系の手順になるようにすれば、そのまま拡張Y-Permにつなげることができます。
上記の方針で、FDRとDFRについては手順を1つに絞り込むことができます。
- 3通りあるもの
- FDR : D R,
R F, F D - DFR : F' R',
R' D', D' F'(※ 追記)
- FDR : D R,
- 2通りあるもの
- DBR : R2 F, D2 F'
- FRU : R2 D', F2 D
- LDF : D2 R, F2 R'
- 1通りしかないもの
- その他
【追記】
(※)に関して、「DFRに関しては、人によってはR' D'を使ったほうが逆セットアップの時に回しやすいかもしれない」とのご指摘をいただきました。単純な手数ではなく、回しやすさを考える必要があるのでキューブは難しいですね。皆様も、これに限らず、手数に惑されずに回しやい手順を探してみてください。
【ここまで】
「2通りあるもの」のグループに関しては、この方針で絞り込むことができません。そこで私が提案する方法は、「1手目がR系である手順を使う」ということです。これは、そのほうが回しやすいからです。
- 3通りあるもの
- FDR : D R,
R F, F D - DFR : F' R',
R' D', D' F'
- FDR : D R,
- 2通りあるもの
- DBR : R2 F,
D2 F' - FRU : R2 D',
F2 D - LDF : D2 R, F2 R'
- DBR : R2 F,
- 1通りしかないもの
- その他
最後に残ったLDFに関しては、明快な規則を提案することができませんでした。これは、残念ながら読者の皆様にとって回しやすいものを選んでいただくしかありません。
まとめ
以下の手順を使うことをオススメします。
- 3通りあったグループ
- FDR : D R
- DFR : F' R'
- 2通りあったグループ
- DBR : R2 F,
- FRU : R2 D',
- LDF : D2 R, F2 R' → お好み