おもにBLD

スピードキューブ、特に Blindfolded (BLD) の記事を書きます。

BLDのコーナーねじれ合わせ分析

はじめに

こんにちは、酢酸ことSakakiです。

この記事はSpeedcubing Advent Calendar 2022の1日目の記事です。

昨日の記事 : 初日なので無し

明日の記事 : お知らせ&最近作ったもの、近況報告 (ろーだいさん)

この記事ではBLDの分析のやり方である、ねじれ合わせ分析のコーナーパート編について説明します。

エッジパート編については過去に記事を書いているのでそちらをご覧ください。エッジパートのほうが手軽で効果が大きいため、修得のコスパが良いです。 DBのEOに気付くためのねじれ合わせ分析 - おもにBLD

なお、前提として、バッファのステッカーはU面であるとします。

コーナーのねじれ合わせ分析とは

コーナーのねじれ合わせ分析とは、分析でループが終了して次のループを始める時にルールに沿ってステッカーを選ぶことで、バッファのパーツ*1のねじれが解消した状態を維持して分析する方法です。

ねじれ合わせ分析を行うことによるメリットは以下の2点です。

  1. バッファ絡みのCOの存在に気付くことができる
  2. コーナーパリティがある場合に、そのパーツの位置だけ覚えればよくなる

メリット (1)バッファ絡みのCOの存在に気付くことができる

ねじれ合わせ分析を行うことで、バッファの絡むCOが残らない場合は分析がU, D面のステッカーで終わります。

逆に言うと、分析が終わった時にL, R, F, B面のステッカーの文字で終わった時にはバッファ絡みのCOが残るため、COの存在に気付くことができます。

メリット (2)コーナーパリティがある場合に、そのパーツの位置だけ覚えればよくなる

分析をした時に最後の1文字が必ずU, D面で終わるため、パーツの位置だけ覚えればよくなります。

Speedcubing Advent Calendar 2021のけいてぃさんの記事である3BLDを10秒で記憶したい! - BLDerになりたいで説明されているCOの足記憶のやり方を使えば、覚える文字数を1文字だけ減らすことができます。

ねじれ合わせ分析のやり方

至ってシンプルです。

  • 【バッファに当たってループが終わる時】
    • そのステッカーと「COが揃った関係」のステッカーを選択してループを始める。
  • 【ループを始めたパーツに当たってループが終わる時】
    • そのステッカーと「COが揃った関係」のステッカーを選択してループを始める。

「COが揃った関係」については Speedcubing Advent Calendar 2019の煎茶さんの記事の一部であるセットアップへの理解: COが揃った関係とはで図解されています。非常に説明が丁寧ですので、説明はそちらに譲ります。

CO-0についてはU面とD面そのままなのでよいとして、CO-1, CO-2についてCOが揃った関係のグルーピングを覚える時のコツとしては、U面同士、D面同士をグルーピングしつつ、U層からD層にまたぐ時には同じ面の真下に行くのではなくクロスするのを意識するとよいと思います。

例えば、 RFU と同じグループなのは RDF ではなく FDR です。

私自身は、COが揃った関係のグルーピングは4BLD以上で出てくるXセンターの3-styleを練習するうちに身につきました。COが揃った関係はインターチェンジ可能な関係なので、Xセンターのナンバリングをコーナー準拠にした上で3-styleを覚えると、Xセンターの3-styleでセットアップ不要な手順に出てくるナンバリングはCOが揃った関係のナンバリングと同じです。

スクランブル (基準面で)

y L' U2 L U L' U L R U2 R' U' R U' R' y' // CO UFL
R U R' D R U' R' D' // = [R U R', D], UFR-RDF-FDL
U R' D' R U' R' D R // = [U, R' D' R], UFR-RDF-UBR

ALG.CUBING.NETでのURL

以下、ステッカーのことを思い浮かべる時には実際にはナンバリングの文字が頭に浮かんでいますが、それだと他人には伝わらないので便宜的に「ステッカーはUBRだ」というような表記をしています。

  • バッファ(UFR)の文字はUBRだ
  • UBRにあるステッカーはFURだ、これはバッファのパーツだ
    • CO-2のステッカーでループが終わったぞ
  • ループを作ろう。CO-2のステッカーで正しく埋まってないのは LFU, RDF, FDLの3つだ。ここではひとまずRDFを選ぼう (☆)
  • RDFにあるステッカーはFDLだ
  • FDLにあるステッカーはRDFだ。CO-2でループが切れた
  • CO-0で終わってないから何か残っているな → COがあるぞ

以上です。最初は慣れないかもしれませんが、繰り返すうちにCO-1, 2のグルーピングがすぐに思い浮かぶようになります。

ちなみに、実行中のキューブの状態は全く意識する必要が無いものの、上記の(☆)までの実行が終わった時点でのキューブの状態は下から見ると次のようになっています。バッファ (白緑赤) のパーツが、白面が黄面に来る形でCOが正しく埋まっていますね。

あとがき

テクニックを誰でもアクセスできる状態で公開するという観点ではこのブログでの公開に意味があるのですが、ねじれ合わせ分析について分かりやすく説明するという観点だと 3x3x3目隠し M2/OP法 甘やかし編 概論 - おもにBLD から先のリンクのように、拙作のツールhinemos内で各人のナンバリングに合わせて説明した方が分かりやすいと思っています。

もしかしたら後日それ用のページを作るかもしれません。

*1:例えば基準面が白上・緑前でUFRバッファなら、緑白赤のパーツ。バッファの位置にあるパーツではありません。