おもにBLD

スピードキューブ、特に Blindfolded (BLD) の記事を書きます。

3BLDのサブステップを紹介する:「LTCT」

こんばんは、酢酸ことSakakiです。

Twitterで公開された知見や流行ったワードを記事にするシリーズ、今回のテーマは「LTCT」です。私自身が活用できている技術ではないですし、これはとりあえずどんなものかを知ってもらうための記事なので、端的にまとめます。*1

はじめに

LTCTとはLast Target + Corner Twistの略で、 3BLDコーナーのパリティ1文字と1COを同時に処理する 手順です。

つまり、こういうことです。

alg.cubing.net

f:id:sak_3x3x3:20210401002305p:plain

具体的な手順については、末尾の関連リンクから手順表を見てみてください。

通常のやり方として、パリティ+1COをパリティ手順+CO手順で解くなら、

約15手 + 約16手 = 約31手。

COをループに絡めて3-style+パリティ手順で解くなら、

約12手 + 約15手 = 約27手 で解決できます。

一方、LTCTは 約13手 なので、 手数を節約することができる のがメリットです。

ただし、メリットが明快な一方で以下の2点が難しく、簡単にタイムを短縮できるわけではありません。

  • 判断が難しい
    • ちょっとでも迷うと、手数の節約によって縮めたタイム以上に時間を使うことになってしまう
  • 手順に規則が無く、覚えにくい

手順数

全パターンは252手順です。

パリティ(7*3)手順 * COの位置6ヶ所 * COの回転方向(時計/反時計)2通り = 252手順

ただし、UFRバッファとインターチェンジしやすいU面ステッカーからループを始めるようにすれば、ループの最後の文字はU面のどこかに限定することができるので、優先的に覚える必要のあるLTCT手順をU面パーツのパリティ手順のみの 54手順 に限定することができます。

U面パーツパリティ-U面CO (U-U)

(3 * 3) * (2 * 2) = 36手順です。

U面パーツパリティ-D面CO (U-D)

U-Uと違ってD面は自由にセットアップすることができるので、覚える手順を減らすことができます。

D面COをどれかに固定して考えて、

(3 * 3) * (1 * 2) = 18手順

です。

大まかな出現確率

Twitter: @ms3bfさんにツールで計算してもらったところ、パリティ+COの出現率は16%程度の確率とのことです。

U-U, U-DのLTCTになる確率は、パリティのステッカーの確率が同様に確からしいと仮定した場合には 16% * 3/7 = 6.8% です。

実際には、ループの開始ステッカー(=終着パーツ)は自由に選べるので、U面からループを始めることで確率をより上記よりもさらに高めることができます。

練習方法

私自身はLTCTを練習したことがなく、練習方法がパッと思い浮かばなかったので、 Twitter:@keit_cubeさんが練習した時のやり方を教えていただきました。

keit_cubeさんのやり方

ここから引用です。


1. 手順集め

まっさんさんの動画や手順表、Jack手順表、Max手順表から手順選定して自分の手順表作成

2. ひたすら回しこむ

CFOP手順と同じように手に覚えさせました。F2L+3styleやF2Lスロットの出し入れのような仕組みになっている手順が多いので手に馴染む動きが多いかもしれません。

ぼくはLastTarget 1文字ずつ覚えていきました。全部*2覚えたあと、ランダム出題のプログラムを書いたのでそれで練習中です


ここまで引用でした。

将来:hinemosに実装します

LTCTを取り入れている/取り入れようとしている人は2,3人くらいしかいないと思っていたのですが、アンケートを取ってみたところ、LTCTの機能が欲しいという選択肢に6票入っていて、思ったよりもLTCTの練習機能が求められていることが分かったのでGWの時間を使って作ろうかと思います。完全に新しい機能で時間がかかりそうなので気長にお待ちください。

関連リンク

keit_cubeさんの挙げていた手順表を含め、リンクはここにまとまっています。

bld-life.com

謝辞

記事を書くにあたり、Twitter: @ms3bfさんとTwitter: @keit_cubeさんにレビューをしていただきました。お2人の力により、内容が充実させることができました。ありがとうございました。